ゆうの試打シリーズ「テナジー19」編
2021/07/12
みなさんはじめまして。
今回から用具の記事を書かせていただきます「ゆう」と申します。
もともとは卓球王国という専門誌で用具記事担当をしており、年に一度発売される「別冊卓球グッズ」では編集長を務めていました。
つまり卓球用具の専門家であり、何より生粋の用具好きです。
そんな私が今回取り上げる用具はバタフライの「テナジー19」です。
なぜこのラバーなのか?その理由は話題になっていないからです。
バタフライのラバーと言えばテナジーシリーズでしょう。圧倒的なスピン量と反発力で、中級~トップ選手に愛用されて、数々の全日本タイトル、世界タイトルを獲ってきました。
時代を作ったモンスターラバーと言って過言ではありません。
しかし、その後、バタフライはテナジーを超えるラバーとして、新たに「ディグニクス」を発売。トップ選手が次々にテナジーからディグニクスに変更している中、なぜかこのタイミングで発売されたのが「テナジー19」なのです。
多くの人たちが「え?今テナジーなの?」と感じたことでしょう。
はい、私もそうです。
実際にテナジー19は、発売直後の瞬間最高風速(話題的な意味)はあったものの、その後はほとんど聞かなくなってしまいました。
その理由は「トップ選手が使ってないから」と推測されます。
ディグニクスは難しいラバーでしたが、多くのトップ選手が使うことで、「使い方」の研究が進みました。
・回転をかけるためにはこう当てれば良い
・弾性が高いので下がったほうが良い
・カウンター性能が良いので、振りすぎなくてもOK
・下回転打ちはこの角度がGOOD
などなど
多くの声、コメントが蓄積されてディグニクスはこういうラバーなんだと、使ったことがなくても想像できるくらいになりました。
しかし、テナジー19はこの蓄積がまだありません。
トップ選手に使用者がいないこともあり、上級者のコメントがほとんどないのです。
だから理解が深まらずに、結果的に話題が続かなかったのでしょう。
ではここでテナジー19がどんなラバーなのか。おさらいします。
テナジーシリーズは統一のスプリングスポンジに形状の違うトップシートをあわせることで、異なる性能を作っています。
回転の05、スピードの64、バランスの80のようにナンバリングをさせて性能差をつけていました。
今回のテナジー19は、トップシートの粒を小さくさせて、なおかつ密集させることでグリップ力を高めたラバーです。
実はこの思想はかなり斬新です。
通常、粒が小さいとボールがラバーに当たった時に、粒が倒れやすくなります。
つまり食い込みやすさを狙っている粒です。
しかし、粒を密集させることで、強固にし、倒れにくくしている。
いや、どっち?食い込み良くしたいの?したくないの?
と困惑するトップシートなのです。
この発想はなかった・・・。
新しすぎる・・・。
だからこそなのでしょう。
いろんな人が使って、もっと研究が進めば・・・使い方がわかるのに。
ちなみにこのトップシートの形状はバタフライが特許を取得しているようです。
それだけ自信がある形状なのでしょう。
その結果、バタフライの計測によると、テナジー05よりもグリップ力が高く、滑らずに食い込み、押し負けなくなりました。
そしてよりスイング方向へボールが飛び、威力もアップしたとのこと。
テナジー05に比べて、スピードドライブ・台上プレー・カウンターのやりやすさが向上したというのがバタフライの見解です。
さて、それにより、ターゲットがどう変わるのでしょうか?
その答えは動画を御覧ください。