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ゆうの試打レビュー ハイブリッドMK ターゲットはトップ選手ではない 健太用のはずなのに、中身は中級者用のテイスト これは我々のラバーだ!
選手の名前やイニシャルを冠したラケットはよくあるが、ラバーはほとんどない。思いつくとしたらワルドナー(スウェーデン/ニッタク、ドニック)、王楠(中国/コクタク)くらいだろうか。オリジナルTバージョン(田崎俊雄の特注/ヤサカ)やキョウヒョウ(王励勤のシルエット/紅双喜)、999(偉関晴光のシルエット/JUIC)のように、含みをもたせるようなラバーはあるが、ほぼないと言えるだろう。ラケットと違って進化のスピードが速いラバーは、「使い続ける」ことが難しいので、選手イメージを乗せられないのだ。
そのようなラバー事情の中、「MK=松平健太」と看板選手のイニシャルを全面に押し出して発売されたハイブリッドMK。文字通り、松平健太が共同開発したラバーで、自身のフォアで使用することを主眼において作られている。
健太の要望は
①柔らかいこと(健太の好み)
②粘着ではないこと
③回転がかかること
④重量が軽いこと
そして公表はしていないが、「テナジーに近い感覚」というのもあるだろう。長年テナジーを使用していた健太にとって、ドイツラバーであっても、その感覚に近いものを求めるのは当然だ。
打ってみると、「なんだこれは?」と驚くほど柔らかく、トップ選手が使う硬度ではないと思ってしまった。一応スポンジは48度あるようだが、シートの柔らかさの効果なのか、42.5〜45度ほどの感触だ。ドライブでもブロックでも、一度ボールをキャッチしてから放す感覚があり、非常に安定感がある。これは前陣ならば頼りになる性能だ。
しかし、柔らかいゆえに、スピン量はそこそこ。
飛距離もまあまあ浅くて、飛ばすのに苦労する。
うーん、威力十分のラバーとはいい難い。あくまで安定感重視の中で、スピードとスピンを高めているイメージだ。
その代わり、カウンター、ブロック、下回転打ちの感覚は抜群で、はっきり言って
「振れば入る」、いや「入ってしまう」。
振れば勝手に、不思議と入るからビックリした。
この安定感があれば・・・健太くんのように臆することなくカウンターを狙っていける。そう思わせるくらいの安定感は魅力的。自信を持って、バンバン振っていこう!
まとめると
・健太くん以外のトップ選手は使わないだろう(柔らかすぎるため)
・でも中〜上級者には適する硬度
・ブロック、カウンターの安定感がレベチなのでバック側に貼ったら鉄壁
・私、しばらくバックで使います
というラバーだった。
“松平健太使用”という文言がいい意味で裏切ってくれた気がする。
豪腕で打ち抜く・・・ではなく松平健太のような柔らかいタッチのプレーに寄り添ったラバーだった。固いブロック、安定したカウンター、そして軽量。
これは健太以外なら、むしろ中級者にピッタリのラバーといえる。
2022年のラストに我々の味方が登場だ!
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